【xEV】政府の今後のEV政策の方向性は?~自動車新時代戦略会議・中間整理(案)を紐解く~

掲載日:2018年7月30日

今月24日、経済産業省の「自動車新時代戦略会議」の第二回会合が行われ、今後の自動車産業および関連産業に対する国の方針が示されました。2010年に設定された「次世代自動車戦略2010」以来8年ぶりに、自動車の普及目標が定量的に設定された点も特徴です。既に各マスメディアからも報道が行われていますが、本日のコラムでは、電気自動車(EV)・プラグインハイブリッド車(PHEV)に関わる部分に着目し、その内容を紐解いてみたいと思います。

そもそも「自動車新時代戦略会議」とは何か、ということですが、経済産業省では数年に一度、自動車に係る戦略というものを立てています。それらの戦略を諮問する会議の名称は都度変わるのですが、所管部署は基本的に製造産業局自動車課が担っています。前回は2014年11月に取り纏められた「自動車産業戦略2014」でした。今回設置された自動車新時代戦略会議は、およそ4年ぶりの大幅刷新となります。

この4年間、EV・PHEVに係る分野では様々な変化がありましたが、中でも大きな変化の一つに、英国やフランスなど欧州各国において、2040年頃までにガソリン車もしくはディーゼル車の販売を禁止が挙げられます。これら世界の動きに対し、日本政府としても明確な意思表示を行ったのが今回の「自動車新時代戦略会議」の中間整理の結果と言えるかもしれません。

それでは、中身を見ていきたいと思います。

まず、今回の中間整理(案)において注目すべきは、電動車というものが明確に定義されたことと言えます。それらを総称してxEVと呼び、電気自動車、プラグインハイブリッド車、ハイブリッド車、水素燃料電池自動車、がそれらに含まれます。

▲電動車(xEV)の定義(出典:経済産業省自動車新時代戦略会議・中間整理(案))

その上で、日本が世界に掲げるゴールは、2050年までに世界最高水準の環境性能とされ、それは、乗用車の販売におけるxEV比率を100%到達と明記されました。これは、「次世代自動車戦略2010」で設定された2030年時点の目標値(HV:30~40%、EV・PHEV:20~30%、FCEV:~3%、クリーンディーゼル車:5~10%)に変わる新たな目標値です。

▲日本の自動車産業の今後の方向性(出典:経済産業省自動車新時代戦略会議・中間整理(案))

2050年に販売する乗用車の100%をxEVとするための今後5年間の重点アクションとして、経済産業省は、以下の3つの施策を行っていくことを掲げています。このうち、EV・PHEVの普及および充電インフラに関係する部分は「社会システムの確立」に含まれます。

▲2050年目標達成に向けた打ち手(出典:経済産業省自動車新時代戦略会議・中間整理(案))

社会システムの確立には、
 ①電池社会システムの確立
 ②次世代商用車利活用システムの開発促進
 ③分散型エネルギー社会に向けたBEV・PHEV・FCEV普及加速、インフラ整備
の3つが含まれています。電池社会システムの確立では、電池資源調達安定化や、リチウムイオン電池のリユースのための評価技術および市場創出に向けた共同回収スキームの構築などが挙げられています。

次世代商用車利活用システムの開発促進では、中国が先行する商用車分野(バス、トラック)の電動化に対し、今年度中にロードマップを作成、普及拡大に向けた技術的課題や課題克服の方向性を整理するとのことです。

▲商用車における具体的ターゲット・アクションと現状認識(出典:経済産業省自動車新時代戦略会議・中間整理(案))

また、インフラ整備の分野では、初期需要創出のための購入価格補助やインフラ導入支援、充電インフラのアップグレード・増設に向けた支援なども盛り込まれています。特に急速充電器については電池搭載型の活用や、電力と充電サービスの融合を目指した検討も進められる予定だとのことです。
他に、VtGなどを活用した実証事業も今年度行われるようで、今後、EV・PHEVは社会のインフラとして生活に欠かせないものになっていく方向が垣間見えます。

▲分散型エネルギー源としてのxEVの位置づけとアクション(出典:経済産業省自動車新時代戦略会議・中間整理(案))

以上、簡単ですが、自動車新時代戦略会議の中間整理(案)について見てみました。
仮にこれまでの時代を、補助金によってEV・PHEVの購買を促し、また、充電インフラを設置してそれら自動車の利便性を拡充してきた時代と形容するなら、今後は、電動車が自動車の主流となり、さらに、社会の別のシステムとリンクしながら活用されていく存在になる時代と言えるかもしれません。

日本の自動車産業が世界で競争力を持ち続けるためにも、自国での自動車の電動化を、より強く推進し続けてほしいと思います。

●参考ウェブサイト:
-経済産業省・自動車新時代戦略会議

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